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構造物内部におけるドローンによる高所点検においては、電磁波によるIMUの暴走、電波障害、上昇気流や配管やダクトからの乱気流、ドローン自ら起こす気流に巻き込まれる現象等による墜落や衝突のリスクがありますが、弊社では安全に点検ができるよう配慮致しております。
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今回、高さ120mの3本傾斜集合煙突で頂部の一部を除き、3本の内の1筒内全域の内部点検を実施致しました。弊社開発の傾斜集合煙突用の安定化装置をドローンに取付て無事点検を終了致しました。
煙突を上部と下部に分けて点検を実施。傾斜集合煙突でも、弊社のドローンを使用した煙突筒内の簡易点検、3D点群化詳細点検が実施可能な事が今回実証されたました。
今後、更に精進して、点検精度の向上に努めてまいりたいと考えております。
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非GPS環境下での3D化は、難易度が高いが、大きな障害も無く実施できた。今回は120m煙突の全筒が対象となった為、撮影計画に基づいて計画的に撮影を行い。無事終了した。
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ドローンとAIで何ができるのでしょうか?今回ご紹介することは、一例にすぎませんが、将来を予測する上で、何らかのヒントになるのではないでしょうか?
GPUとは「Graphics Processing Unit」の略で、3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップ(プロセッサ)のことです。
パソコンやスマートフォンの仕様表に記載されたCPUの情報に、デュアルコア(コア数:2)・クアッドコア(コア数:4)・オクタコア(コア数:8)などの表記があるのを見かけたこともあるでしょう。CPUではそれらが並列的に計算処理を行うわけです。コア数が2個(デュアルコア)より、4個(クアッドコア)、8個(オクタコア)の方が性能は高いことになります。
一方のGPUでは、1つのプロセッサに数千個のコアを搭載しており、CPUとは桁違いです。司令塔であるCPUに対して、人海戦術で大量の処理を行う工場のような存在がGPUといえます。
膨大な計算処理を必要とする3Dグラフィックス用途に設計されたプロセッサ・GPUは、その高い演算性能から、画像処理以外の用途にも利用されるようになっています。
最近では、CPUの代わりにGPUを搭載し、その高い演算性能を活用するGPUサーバーが注目されています。AIを急速に発達させた機械学習の1つ「ディープラーニング」用に適しているからです。ディープラーニングでは、大量のデータを機械に読み込ませることで、機械が自らそのデータから規則性や特徴を導き出し学習します。この際、大量のデータを深い階層まで掘り下げ分析するため膨大な量の計算が必要です。しかし以前はコンピューターの処理能力が足らず、ディープラーニングのアイデアがあっても実現しませんでした。その点、CPUよりはるかに高い演算性能をもつGPUサーバーであれば、比較的安価にディープラーニングを実行できるわけです。
現在のドローンの多くは、人手による操縦を補助するために、機体に取り付けたカメラや赤外線センサーからの情報を解析し、障害物を検知して操縦者に警告したり、回避や停止などの処理を行っています。現在のDJI社製のファントム4タイプでもスマートフォンの約2倍以上の28個ものCPUが使用されていますが、近い将来の実現を目指している目視外での完全な自律飛行には、不十分な技術とされています。
AIドローンに求められているのは、「考えて飛ぶ」技術になります。そこで、世界をリードするAIプラットフォームを提供するNVIDIA社は、AIによる自律飛行ドローンの研究開発に取り組んでいます。
NVIDIA社が得意とするAI技術は、高度な画像認識を基盤としたディープラーニングモデルによる推論とフレームワークと呼ばれるAI学習モデルを用いて、画像などの学習データを大量に投入し、そこから得られたディープラーニングモデルを用いて、ドローンの自律航行に求められる推論エンジンを生成します。この推論エンジンを搭載したAIドローンは、高度な自律的な飛行が可能となります。
NVIDIA社のAIドローンの中核となる技術は、JETSONというカードサイズの小型AIコンピュータです。JETSONを搭載することにより、ドローンは深層学習で得られた「推論」を搭載して自律的な飛行を可能にします。
例えば、JETSONで画像認識を学習したAIドローンは、空からカメラで撮影した画像を解析して、人物や対象物を発見できるようになります。また、インフラ点検ではヒビや破損などの問題を自動的に検出できるようになります。
プロジェクトREDTRAILと呼ばれる自律飛行ドローンへの挑戦では、オープンソースのオートパイロットプログラムに対して、カメラで撮影した画像をTrailNet DNNというAIでリアルタイムに解析し、ドローンの飛行制御コントロールに指示して障害物を回避します。
事前に飛行させる山林を撮影し、その画像を学習データとしてTrailNet DNNに投入して、AIドローンの自律飛行を実現しています。その様子は、以下の動画でも公開されています。AIドローンが山林の中の障害物と林道を認識して自律飛行する様子が紹介されています。
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IoT(アイオーティー)とは、Internet of Things(インターネットオブシングス)の頭文字を取った単語で、日本語では一般的に「モノのインターネット」と呼ばれています。
IoTは、これまでインターネットとは無縁だった「モノ」をインターネットにつなげることにより、モノが相互通信し、遠隔からも認識や計測、制御などが可能となります。人が操作してインターネットにつなぐだけではなく、「モノ」が自らインターネットにアクセスすることがこのIoTの特徴なのです。
あらゆるモノがインターネットと繋がり、情報交換をすることで相互に制御するシステムを指しており、日本でも総務省がIoTの普及に取り組んでいます。
これらの技術を取り入れることにより、コンピューターが人工知能などにより、自分で判断し動くシステムが確立できるようになります。これにより製造業のさらなるデジタル化・コンピューター化が進むとされています。
ドローンは、スマートフォンの需要の拡大に伴い、無線技術やセンサー技術の進歩が格段に進み小型化・高機能化されました。それによって、数万円程度の安価なモデルも登場したため、日本でも徐々に浸透し、近年では業務に活用する動きも急速に進んでいます。
災害現場や高所など、人間が行くには危険を伴ったり、時間がかかったりする場所にも簡単に行けることがドローンの特徴です。さらにドローン本体には、カメラや通信機能、GPSなどを搭載することができるため、さまざまな現場の情報を収集して遠隔地に送信することが可能です。そして、現在では、タブレットやスマートフォンといった誰でも扱えるデバイスでドローンのコントロールや制御もできるようになり、インターネットから地図情報等必要な情報も取り込めますし、YouTube等を利用して、インターネットを介してドローンが撮影した映像をリアルタイムに全世界に同時中継する事も可能です。これが、ドローンが空飛ぶ「IoT」と言われる理由なのです。
このようなドローンの特徴に、業務改革の可能性や新たな収益機会を見出す企業は多く、自社の業務に取り入れたり、企業向けのドローン関連サービスの提供を開始したりする企業も増加しています。産業ドローンの潜在市場規模は14兆円ともいわれており、起業家や投資家に加え、大手企業、政府など、さまざまなプレーヤーが注目しています。
具体的な成長率でいうと、世界では2020年の時点で約1兆3,000億円と試算されており、今後は年率にして約30~40%の成長が見込めると考えられているようです。
ドローンが利用される分野として、ビデオ・画像撮影(27%)と精密農業(23%)が半分を占め、監視/モニタリングや地図測量、点検・整備・工事といった活用例が残りの半数を占めているとの報告があります。
一方、日本の市場規模については2015年時点で約16億円、これが2020年時点で約186億円規模と10倍以上の伸びを見せ、2022年には約400億円市場とする試算があるといわれています。これは、ある程度少なく見積もった場合の予測のようで、官民の取り組み次第で飛躍的なマーケットを創り出す可能性も秘めていると考えられているのです。
ドローンが空飛ぶ「IoT」と言われる理由についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。未来を予測する事は困難ですが、ドローンとIOTを基盤として、AIやビックデータ解析、ブロックチェーン等の新しい技術が組み合わされていくことでしょう。ドローンは私たちの生活にどんな影響を与えてくれるのか、今後も注目していきたいですね。
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「第四次産業革命」という言葉自体は、ドイツが2012年から打ち出している技術戦略「インダストリー4.0」を日本語化したものです。
「蒸気」という新しい動力が出現した第一次産業革命は、18世紀から19世紀に渡って英国を中心としたヨーロッパとアメリカで起こりました。「鉄」と「繊維工業」がその中心でした。農村、地方から都市部への人口移動が起こりました。
続く第二次産業革命では「電気」と「石油」による大量生産が実現しました。1870年から第一次世界大戦直前の1914年までの間に起ったとされます。電話機、電球、蓄音機、内燃機関等の技術的革新が起こりました。
第三次産業革命では「コンピュータ」が登場し自動化が進みました。1980年代から始まり、現在も継続中とされています。パーソナルコンピュータ、インターネット、情報通信技術(ICT)が中心となり、デジタル革命とも呼ばれます。アナログ回路及び機械デバイスから今日用いているデジタル技術への技術的進歩を指します。
そして、第四次産業革命はデジタル革命の延長として登場し、さまざまなモノがインターネットにつながり、それを「AI」が制御するようになると言われています。革命は既に始まっています。既に金融取引ではAIが主流となって取引を行っています。アメリカでは、家に帰るとAI「アレクサ」が出迎え家族のように話しかけ、家電を操作してくれます。
モノのインターネット(IoT)、AI(人工知能)、ブロックチェーン(分散台帳)、量子コンピュータ、ロボット工学(ドローン技術を含む)、ナノテクノロジー、生物工学、3Dプリンター、自動運転車などの多岐に渡る分野においての新興の技術革新が相互に影響し合う技術進歩を特徴としています。
第三次産業革命以前までは人間が機械を調整していたのに対し、第四次産業革命では人間の代わりにAIが機械を自動制御します。ここが大きく違います。
では、どのような社会となるのでしょうか?
経産省の試算によると、人工知能関連の国内市場規模は2030年までに86兆円以上になると予測されているものの、経営や商品企画の分野で136万人、製造・調達分野で262万人、管理部門で145万人が仕事を失うという予測が出ています。
世界経済フォーラムの設立者、経営執行役会長であるKlaus Schwab氏は「その変化はとても重大なものである。どのくらい重大かというと、人類史の観点からは、かつてこれより大きな希望、もしくは脅威の可能性はなかったほどだ。」と発言しています。
しかし、欧米と違って、日本では、積極的に変化の肯定的な側面を捉えています。実はすでに第5次産業革命という言葉が登場しています。現在第4次産業革命の真っ只中にも関わらずにです。
第5次産業革命の明確な定義はされていませんが、産業構造審議会の報告書では、人口問題・食糧問題・資源エネルギー問題・高齢化社会といった現代社会が直面する課題への解決策になりうるとして、第5次産業革命というべき変革を生み出す可能性があるとしています。また、経済産業省の資料によるとビッグデータやAIによる、第4次産業革命と最新バイオテクノロジーの融合による、スマートセルインダストリー(生物による物質生産)としており、医療・工業・農業・エネルギー産業など、様々な分野で活用できると期待されています。
現在、日本の第4次産業革命は欧米諸国から大きく後れを取っており、今後は急激に変化してくことが予想されています。
空の産業革命ともいわれるドローン技術も第四次産業革命の技術革新の中に含まれますが、他の技術と相互作用しながら大きく発展していくものと思われます。
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最盛期には2000人を超える従業員を抱え、月300トンの銅の精錬能力を持っていた犬島精錬所(いぬじませいれんしょ)は、1909年(明治42年)、都窪郡中庄村(現在の倉敷市中庄)に所在する帯江鉱山の精錬所として岡山県宝伝沖2.5㎞にある犬島に建設されました。岡山の実業家であり、代議士でもある、帯江鉱山経営者の坂本金弥氏の主導で、当時帯江鉱山が発生させていた公害問題の対策として開設されました。
1913年(大正2年)、藤田組(現在のDOWAホールディングス)が買収。精錬所最盛期には、島の人口は5000から6000人程度もあったといわれ、この時期には銅価格が高騰していたこともあって、銅鉱石を巡って三菱、古河、久原など12の精錬所が争奪戦を展開したといわれています。ところが1916年(大正5年)にピークを迎えた銅価格は、第一次世界大戦の終息と共に暴落し、1919年(大正8年)には、ピーク時の半値にまで下落し、1919年中にとうとう操業を停止しました。1924年(大正13年)12月に住友合資会社が買収するも再建のめどが立たず、1925年(大正14年)廃止となりました。銅の精錬所としてわずか10年で役割を終え、それから約90年間瀬戸内の波間に静かに佇んでいた事になります。
廃止された後は、テレビドラマの「西部警察」最終回のロケ地や映画「カンゾー先生」、「鉄人28号」のロケ地として利用されました。
2001年(平成13年)、ベネッセコーポレーションに買収され、直島福武美術館財団により、精錬所跡を利用した犬島アートプロジェクトの一部として銅製錬所の遺構を保存・再生した犬島精錬所美術館として再利用されています。「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもと作られた美術館は既存の煙突やカラミ煉瓦、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用した環境に負荷を与えない三分一博志の建築と、日本の近代化に警鐘をならした三島由紀夫をモチーフにした柳幸典の作品、また植物の力を利用した高度な水質浄化システムを導入しています。「遺産、建築、アート、環境」による循環型社会を意識したプロジェクトとなっているようです。
犬島精錬所美術館
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明治期の近代化以降に煙突は数多く作られたようです。しかし、日本国内の近代的煙突として、当時世界一の高さを誇った有名な煙突は、大正初期に造られた次の2本ではないでしょうか。
①日立鉱山の大煙突 (大正4年)
高さ155.7m、完成当時は世界一の高さを誇りました。
1993(平成5)年2月19日に台風の影響で倒壊し、現在は1/3の高さです。日立という工業都市にあって企業と地域との共存共栄のシンボルであった為、市民は78歳と2カ月の寿命を非常に惜しんだようです。
http://www.adnet.jp/nikkei/kindai/12/
小坂鉱山(秋田県)の再建に成功した久原房之助(くはらふさのすけ)氏が、経営不振で苦しんでいた茨城県の赤沢銅山を1905(明治38)年に買収し、屈指の銅鉱山・製錬所に育て上げたのが日立鉱山だそうです。
最新式の探鉱、削岩技術、製錬法の採用などで創業10年足らずで有力鉱山会社に成長したようです。1910(明治43)年には初代工作課長の小平浪平(おだいらなみへい)(日立製作所創業者)の進言で日立製作所の起源となる電気機械製作の工場も造られました。
しかし、銅製錬で発生する亜硫酸ガスが地元で大きな問題となりました。特に、豆やタバコは煙に弱く、周辺住民との共生を重視していた同社は損害賠償に応じていたものの事態は一向に改善しなかったそうです。
そこで久原氏は「思い切って高い煙突を造り、上空で拡散させたら」と発想を転換。陸軍に人を派遣して係留気球の研究をさせ、どのくらいの高さなら煙が上昇気流に乗って拡散するかを調査させたようです。
建設費は当時の金額で30万円(今の貨幣価値で9億1千5百万円)。大煙突の効果は期待できないという反対論も社内では出そうですが、久原氏は「この大煙突は日本の鉱業発達のための一試験台として建設するのだ」と譲らず、1914(大正3)年建設に着手しました。
寺の跡に作った製錬施設の裏手の山の斜面、海抜325メートルの地点。鉄筋コンクリート製で高さは155.7メートルあり、当時、米国モンタナ州の製錬所の煉瓦(れんが)煙突152メートルをしのぎ世界一の高さを誇りました。
コンクリートミキサー車などなかった時代に、3万本にもなる丸太と5万4000把(たば)の棕櫚縄(しゅろなわ)で作った足場で延べ3万6000人の人力を動員してコンクリートをこね、注入していく大掛かりな作業だったにもかかわらず、着工後わずか9カ月足らずで完成して、翌1915(大正4)年の3月には稼働したそうです。
同時に製錬所の周囲10キロメートルに設置した観測所で気象をチェック、風向きなどで煙害が悪化しそうになると操業を大幅に抑えるなど煙害防止に努め効果を上げたようです。
現在でもPM2.5に苦しむ国もある中、世界的に見ても、かなり先進的な取り組みだったと言えそうです。
戦後の1972(昭和47)年になると、密閉型の自溶炉を採用、亜硫酸ガスは全量硫酸として取り出し、無公害化を達成したそうです。
日立鉱山は1981(昭和56)年に閉山しましたが、大煙突建設のころ、製錬所の周囲は禿山(はげやま)だったようですが、1000万本の植林事業が実を結び、大島桜とヤシャブシを中心にした木々に覆われて、低くなった「大煙突」を取り囲んでいる姿が見られます。
②日本鉱業佐賀関製錬所の大煙突 (大正5年)
現パンパシフィックカッパー社。高さ167.6m、これも当時は日立煙突を
抜いて世界一の高さでした。
明治時代の佐賀関鉱山では銅の精錬が行われていましたが、1894年(明治27年)から1895年(明治28年)にかけて煙害により農作物が枯死したことが問題となり、操業が休止されました。明治30年代初めに再開が計画されたものの、住民による反対運動が起き、1900年(明治33年)に福岡鉱山監督署が精錬場の設置を不許可とする指令を出したため、再開は実現しなかったようです。
その後、大正時代に入ると、久原鉱業株式会社(後の日本鉱業)が佐賀関鉱山を買収し、1916年(大正5年)に佐賀関鉱山附属製錬所(後の日本鉱業佐賀関製錬所)を開設しました。
その際、煙害を防止するために高い煙突を建設することが計画され、高さ167.6m、下部の直径約29m、上部の直径約8mの鉄筋コンクリート構造の第一大煙突が1916年(大正5年)12月に完成。翌1月に操業を開始しました。
この煙突は完成当時、日立鉱山の大煙突(高さ155.7m)をも抜き、世界一の高さを誇ったものの、約1年後の1917年(大正6年)11月には米国ワシントン州の製錬所の煙突(高さ174m)に抜かれることとなりました。しかし、その後も「東洋一の大煙突」、「関の大煙突」と呼ばれ長らく佐賀関地区のシンボルとして親しまれました。
1972年(昭和47年)には、高さ約200mの第二大煙突が完成し、2本の煙突が並び立つ姿が見られました。
佐賀関製錬所は、1992年(平成4年)11月に、日本鉱業が設立した日鉱金属に譲渡され、2006年(平成18年)には日鉱金属と三井金属鉱業が共同で設立したパンパシフィック・カッパーの子会社の日鉱製錬に継承されました。2010年(平成22年)4月1日にパンパシフィック・カッパーが日鉱製錬を吸収合併したことにより、パンパシフィック・カッパー佐賀関製錬所となりました。
2012年(平成24年)9月、建設から100年近くが過ぎ老朽化が進んでいた第一大煙突について、崩壊の危険もあることから、解体・撤去を行うことが公表され。解体工事は同年10月から行われ、2013年(平成25年)5月末に完工し、跡地には、記念として高さ1.5m部分までが残されています。解体後には第二大煙突に排煙機能が集約され、製錬所の操業は続けられています。
このように、日本の工業煙突は、工業化のシンボルであると同時に、住民との共生のシンボルでもあったと言えそうです。
現在の高さ日本一の煙突は、東京電力鹿島火力発電所の煙突で、高さ231mです。街中の煙突としては、東京都豊島区上池袋にある東京都豊島清掃工場の煙突で、高さ210mです。
因みに、現在世界一の高さを誇る煙突は、高さ419.7 mのザフスタンのエキバストス第二発電所煙突。2位が381 mのカナダのインコ・スーパースタック。3位が371 mのアメリカ合衆国のホーマーシティ発電所となります。
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江戸時代の浮世絵や、古い民家を見ても煙突が見当たりません。幕末に日本を訪れた外国人が、日本の屋根には煙突が無いことを記述しており、囲炉裏の煙を茅葺屋根の燻蒸に使っていた伝統的な日本家屋には、煙突の概念は無かったのかも知れません。
実は、西欧式の煙突の導入はオランダの書物から得られた知見によって、反射炉の研究と建設から始まりました。江戸時代の後期になると、日本近海に外国船の出没が増えてきました。それに伴い西欧諸国の植民地政策などの情報も入り海防の必要性が問われるようになってきました。
外国船に対抗するには精度が高く飛距離の長い洋式砲が必要とされましたが、従来の日本の鋳造技術では大型の洋式砲を製作することは困難であり、外国式の融解炉が求められたのが反射炉建設の目的でした。
外国の技術者を招聘することが叶わない時代でもあり、伊豆韮山代官の江川英龍、佐賀藩の鍋島直正などが、オランダの技術書(『鉄熕鋳鑑図』Ulrich Huguenin原著、金森建策訳)等を参考に作り始めたのが切っ掛けです。
江戸時代末期に、技術水準の差はあったものの同時期に伊豆国、江戸、佐賀藩、薩摩藩、水戸藩、鳥取藩、萩藩、島原藩など各地で反射炉が作られました。これらは幕府による伊豆国の韮山反射炉や江戸の滝野川反射炉を除き、主に幕藩体制の藩が中心となりましたが、鳥取藩では郷士で廻船業を営む武信家によって進められ、また島原藩では民間人の賀来惟熊によっても進められました。
反射炉は、2015年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として正式登録されましたが、日本に現存する近世の反射炉は、アヘン戦争に危機感を覚えた韮山代官江川英龍が反射炉の建設を建議した韮山反射炉と萩反射炉のみとなります。残念ながら、薩摩の反射炉は薩英戦争でパーシュース号とハボック号の砲撃によって消失しています。その姿は現在、仙巌園で見る事が出来ます。
反射炉に必要とされた耐火煉瓦の製造技術は、明治時代の洋式建築物に利用されるなど、歴史の転換期に重要な役割を担いました。
又、反射炉の製造技術の導入が、日本史において特記されるのは、鉄製の大砲の製造が可能になったからです。当時、日本では青銅砲の段階で技術が停滞したままであった為、反射炉による鉄製砲の製造は、日本にとって鎖国下の技術停滞、開国による技術革新の象徴的な出来事でもあったからなのです。
明治期になると、面白いことに、古来から伝わる登窯にも煙突が利用されるようになりました。こちらは、日本に現存する登窯としては最大級で、傾斜角約17度、8つの焼成窯、高さの異なる10本の煙突が特徴的です。
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ETH Zurich(スイス連邦工科大学チューリヒ校)教授でありドローンのエキスパートであるRaffaello D’Andrea(ラファエロ・ダンドリーア)氏のTEDトークをご紹介致します。
少し古いものですが、古さを感じません。ドローンの可能性について考えさせられる構成になっています。
ラファエロ・ダンドリーア: クアッドコプターの驚くべき運動能力:TED
(2013/06/11 に公開)
. https://www.youtube.com/watch?v=w2itwFJCgFQ
長い棒をドローンの上に乗せバランスを取らせたり、ワイングラスに水を入れてドローンの上に乗せ激しい動きをさせたり、ドローンにつけたラケットでボールをはじかせ、プロペラを一部切り落としたドローンを回転しながらも制御させる。ボール回しのように3台のドローンを制御する。観客は大喜びですが、ラファエロ・ダンドリーアは静かにこう語りかけます。
「こいつらあそびすぎだろ」と思われるかも知れませんね。
それに機械の運動選手なんか作ってどうするのかと疑問をお持ちかも
動物の世界では遊びは、スキルや能力を磨く役割があるという説があります、
集団を結び付ける社会的役割があるという説もあります。
私たちは同様にスポーツや競技のアナロジーを使って
機械の為の新しいアルゴリズムを作り、限界を押し広げようとしているのです。
機械のスピードが私達の生活にもたらす影響は何でしょう?
過去のあらゆる発明や創作と同様それは人々の生活の改善に使えるだろうし、誤った使い方もできるでしょう。
私達が直面しているのは技術的ではなく社会的な選択です。
正しい選択をして未来の機械から最善のものを引き出すようにしましょう。
ちょうどスポーツ競技が私達の最善の部分を引き出すように。
ラファエロ・ダンドリーア「未来の空飛ぶマシンを目撃せよ」:TED
(2016/03/11 に公開)
https://www.youtube.com/watch?v=RCXGpEmFbOw
トークの内容は、近年の商業向けドローンの盛り上がりの紹介から始まる。フランスのFRAC Centreで生の観客の目前で行われた、自律飛行するドローンによる1500個のブロックの積み上げ実験や、数年前から実験されているロープと組み合わせたドローンによるロープ橋の編み上げ実験飛行等を例にあげながら、検査、環境モニタリング、撮影、そしてジャーナリズムまで、商業向けドローンが数十億ドルの市場になりつつあることが説明されました。
ラファエロ・ダンドリーア氏は、最新のプロジェクトで、妨害を受けても自ら体制を立て直しホバーする「羽」や、8枚のプロペラを持ち回転しても見分けのつかない航空機、そして統率のとれたマイクロクアドコプターの群れまで、自律飛行の限界に挑戦します。TEDステージ上でホタルのように飛び舞うドローンも披露しました。
ダンドリーア氏は最後に、自律飛行を研究する意味についてこう締めくくりました。
実際のところ、生まれたばかりの技術の影響を予測する事は困難です。私たちのような者にとっての何よりの報酬は、創造の行為とその過程そのものにあります。いつも感じるのは、我々の住むこの世界が実に素晴らしく驚きに満ちていて創造性に富んだ賢い生き物たちがこうした見事な方法で生きることを可能にしているということをいつも思い出させてくれます。このテクノロジーが大きな商業的、そして経済的ポテンシャルを持っていることはただの副産物でしかありません。
こうした技術が活かされた例をいくつか紹介します。お楽しみ下さい。
Intel’s 500 Drone Light Show | Intel
https://www.youtube.com/watch?v=aOd4-T_p5fA
Sky Magic live at Mt.Fuji : Drone Entertainment Show
https://www.youtube.com/watch?v=5WWwvIgGbkg
中国・春節イベント
https://www.youtube.com/watch?v=EnLrd2NEjQ8
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