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第十三話 ドローンとブロックチェーン

2019年08月07日

ドローンとブロックチェーン技術で、未来はどうかわるのでしょうか?

ブロックチェーン技術は皆さま良くご存知の仮想通貨に利用されていますが、その特徴は、改謬が事実上不可能な分散台帳型システムである事。セキュリティが高く、ハッキングされにくい事。(多くの仮想通貨絡みの事件は、サーバーのセキュリティ上の問題で仮想通貨自体のシステムの問題ではありません)データの改謬が事実上出来ないので、公証性があり、中央集中型では無いので、ハッキングに強く冗長性があり、安定性、安全性が高いシステムになります。

 

さらに、ブロックチェーン技術は、Ethereum(イーサリアム)という仮想通貨により、お金の帳簿であったものが拡張され、任意のプログラムを帳簿として載せることが可能になりました。この事によって、銀行業務、役所業務をはじめ、IoT などの様々な分野に応用することが可能となりました。

 

このようなブロックチェーン技術は、ドローン(無人航空機)を用いたサービスの実用化や、それに関連する全く新しいプラットフォームの開発に大きなメリットをもたらす可能性を秘めています。

 

例えば、宅配用ドローン」を実用化させ、一般的に広く普及させるためには、解決すべき問題が未だに多く残っています。特に宅配サービスで活用する場合には「配達先となる顧客の位置情報」や「配送中に撮影される映像」なども扱う必要があり、ドローンを飛ばす際には「ドローンを操縦するパイロットとの通信」や「自動操縦のためのドローン間での通信」、他のドローンや航空機との衝突を避ける管制システムなどといった情報を適切に管理することも必要となるため、より安全で信頼できる情報管理システムを採用することが重要となります。

 

ブロックチェーン技術を活用してドローンの情報を記録すれば、ドローンの運行データやIDデータ、顧客情報などをより安全に記録・管理して「スムーズな取引」を実現することができ、分散型の管理方法をとることによって「ドローン台数の増加」にも対応することができます。

 

また「ブロックチェーン管制システム」と言われるドローンの情報管理システムを用いれば、顧客に届けられる荷物に関する情報を管理し、実際に荷物が届けられた際の「荷物の開錠・施錠」なども自動的に行うことができます。

 

「Trusted IoT Alliance」は、2016年にプロトタイプの「ドローン配送サービス」を設計し、開発を行なっています。IoT(モノのインターネット)機器を活用してドアや窓などとの接続を可能にし、ドローンとの相互通信を行い。ドローンはIoT端末と情報のやり取りを行い、ブロックチェーンを通じて身元確認が取れた場合には配達を完了させて自動的に帰還します。

 

ブロックチェーン技術とドローンを用いた配送サービスは大手企業でも実際に採用されており、Walmart(ウォルマート)は、2017年の5月に「安全な場所への無人航空輸送」と題された特許を出願しています。

 

「SOAR」と呼ばれるブロックチェーンプロジェクトは、ブロックチェーン技術とドローンを組み合わせたサービスの一つとして「分散型の航空写真・映像共有プラットフォーム」を運用しています。スマート農業、都市計画、災害救助、天然資源管理などの産業を改善するためにブロックチェーン技術を活用して航空写真を収集しています。

 

drone-employeeという会社は、ブロックチェーン技術を利用して観光地にドローンを送り込むサービスを行っています。観光客はドローンを飛ばしたいと思ったら、drone-employeeの運営するサービスにメッセージを送信します。drone-employeeは、サードパーティーにその空域でドローンの飛行が可能かどうか各種状況を参照し、問題が無ければ、OKの通知を受けます。drone-employeeは飛行許可が下りれば、スマートコントラクトを依頼した観光客と結びます。目的の場所にドローンを自律飛行で送り込み、観光客はドローンを使用して撮影を楽しむ流れになります。観光客は手ぶらでスマホ一つで観光地でドローンを安全に飛ばせる仕組みです。こうした技術は様々な応用が可能な様に見受けられます。

 

将来は私たちにとって身近な様々なサービスにドローン+ブロックチェーン技術が応用されている事でしょう。