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第十四話 5G技術とドローン

2019年12月19日

2020年の東京オリンピックを控えて、5Gの話題が増えてきました。米中貿易摩擦でも注目されましたね。

 

今回は、ドローンと5Gについてのお話です。「G」とは「Generation」、「世代」のことで、現在使用されている携帯電話の第4世代の次の第5世代に利用される移動通信技術を指します。「超高速」「超大容量」「超大量接続」「超低遅延」を特徴とします。

 

ワイヤー無しで電話をかける時間とそれに接続可能なデータ速度で比較すると1980年にアナログ電波で開始された1Gで2.4キロバイト毎秒であり、1990年代の2Gになって、デジタル通信化されSMSショートメッセージサービスとインターネット接続が可能となりました。データ速度は1秒あたり50キロビットでした。2001年からユーザーがGPSを使用したり、最大の速度を提供する音声品質を実現したのが1秒あたり2メガビットの3Gした。iモード、ezweb等のサービスが実現しました。

 

そして、ドローンに本格的に移動通信技術、映像伝送技術が活用され始めたのが、2012年スマートフォンの登場を促した4Gからです。4Gの登場で出来ることが爆発的に増え、サポートされるビデオストリーミングの速度は、2200メガビット/秒となりました。この事により、FHDの映像転送がドローンにより可能となり、ドローンからのYou Tube等へのライブ動画配信が可能となりました。多少の遅延がありますがFPV(目視外)飛行が可能となり、リアルタイムでGPS情報と地図情報を取得して飛行することが可能となり、ドローンの活躍出来る場が一気に広がりをみせました。2020年開始される5Gでは、インターネットをサポートする通信速度は100倍となります。

 

この事は実際に何を意味するのでしょうか。2時間の映画をダウンロードするには、3Gネットワークで26時間、4Gで6分、5Gでは3.6秒です。瞬間的な情報をディバイスが応答する速度は、4Gネットワークでは遅延は45ミリ秒です5Gでは、わずか1ミリ秒であり、瞬きよりも早い速度なのです。

 

この事は、ドローンの発展に大きな起爆剤となります。操縦者は、ドローンの操縦やプログラミングするのは、何処にいても可能となります。5G技術で遠隔医療診断や、遠隔手術が可能となるといわれているのと同じ理由からです。充電ステーションとドローンがあれば、設置場所から24時間リアルタイムで離着陸が可能となります。例えば警備会社でドローンを運用するとします。町の中に一定間隔で給電できるドローンのシステムがあれば何か起こった時にいち早くドローンが現場に急行可能になります。警備員が所定の場所に拘束される必要は無くなります。

 

特に「超大量接続」「超低遅延」は、IoT(モノとインターネットをつなぐこと)向けの要求条件でもあります。ドローンは、空飛ぶIoTとも呼ばれますが、産業用途におけるドローンの活用は大きな広がりを見せる事でしょう。

 

1Gから4Gまでは、具体的な需要や必要性に技術開発が追随していましたが、5Gでは、根本的に違い、技術の発展によってもたらされる潜在的需要の発見が非常に重要になるといわれています。未だ見えていないモノやサービスの実現が可能となる革命でもあるのです。

 

キーワードは、B2B2Xといわれています。今までのB2C(企業と一般消費者の取引)B2B(企業間取引)その全てに5Gの技術が利用されるようになるのです。Xは消費者や企業などのエンドユーザーを指します。Xを開拓するために、「B→B→X(エンドユーザー)」の流れで5Gを介してサービスが提供されるようになるといわれています。